高知デジタルカレッジ 【ゲームプランナー育成講座 第一回目】

2022年1月15日、ゲームプランナー育成講座(第一回目)を高知城ホールで開催しました。

この講座は株式会社オルトプラス高知代表 藤田文明氏を講師に迎え、ゲーム開発の基本的な知識と、ゲームノウハウを使った提案力を身に着けることを目的とした全4回の講座です。

講座内容

全4回の講座カリキュラムはこちら。

  • ゲームの運営・開発の基本的な知識
  • ゲームビジネスの基本的な考え方
  • ゲームで利用されているノウハウ(心理効果など)とその効果
  • ゲーミフィケーションフレームワークとその応用方法
  • ゲーム企画書の作成方法

最終回の講座では、「高知県の課題を解決するゲームの企画を作る」ことを目指します。

はじめに

まずはじめに、講師の藤田氏から自己紹介と、講座の説明をしていただきました。

この講座では、サービスとしてのゲームを考える際に知っておくべき基礎知識や、考え方のポイントについてのインプット、参加者に考えて発表をしてもらうアウトプットを交互に行っていきます。

インプットとアウトプットをセットにして理解を深めていくということで、早速受講生同士で自己紹介とアイスブレイクが行われました。

受講生は2グループに分かれ、普段やっていること、今ハマっているゲーム等について話し、お互いの理解を深めました。

インプットセミナー 「ゲームに関する数字や考え方」

続いて、講師からゲームプランニングを行う際に重要な考え方やゲームに関する数字などについて講義をしていただきました。

ゲームとは何か?

ゲームとは「ルールがあり、ゴール(勝敗)があり、相手(人や環境)があるもの」と定義ができるそうです。

例えば、「わんこそば」は、「制限時間内にできるだけたくさん食べるというゴールがあり、食べ方についてのルールがあり、ライバルもいる」ということでゲームになります。

また、これらの要素に加えて、「どう見せるか」がゲームかどうかを判断するのに大事な要素になるそうです。

ゲーム業界の市場規模は?

世界のモバイルゲーム市場規模はどのくらいなのでしょうか?

いろんな統計がありますが、2020年で約7.7兆円という規模だそうです。国別でいうと中国、アメリカに次いで日本は3位ですが、人口一人当たりに換算すると、ゲームに使うお金は日本が圧倒的に高いそうです。

「ゲームプランナー」の視点

続いて、今回の講座のテーマである「ゲームプランナー」の仕事や大切な考え方についてご説明いただきました。

ゲームプランナーは、常にユーザーが何を求めているのかを考え、PDCAサイクルを回し続けていく仕事になります。

市場規模など各種の数字や、人口分布や年齢・性別などユーザーの属性を考え、どういう人にどういうゲームを提供するのかを、ゲームを企画する時や運営する時に考えます。

ゲームの種類

ゲームビジネスは、課金の仕方によって「コンシューマー」と「フリートゥプレイ(ソーシャルアプリ)」の2つの種類に分けることができます。

「コンシューマー」は、たとえば任天堂スイッチのように本体とソフトを購入してもらうなど、先にユーザーにお金を払ってもらうやり方です。有名な会社が出している、〇〇の続編、というように話題性を作ったり広告やマーケティングに力を入れたりして、ゲームのユーザーを獲得していきます。ゲームのコンテンツとしても、ユーザーが満足するものを一度作れば良いことになります。

対して、「フリートゥプレイ」は無料で遊び始められ、気に入ったら後で課金をするというやり方です。スマホで遊べるソーシャルゲームはほとんどこのモデルです。無料で気軽に始められる反面、途中でいつでも止めることができるので、リリース後に新規コンテンツを追加するなど、ユーザーが続けて遊びたくなるよう「運用」をしていくことが重要になります。

コンシューマーゲームは1〜2時間と時間をとって遊ぶことを想定してるのに対し、ソーシャルゲームは5分、10分だけ、など短時間(通勤や昼休みなどの隙間時間)で遊ぶことを想定しています。 そのため、毎日ある隙間時間でゲームをすることを「習慣化」させる戦略が重要になるそうです。朝の通勤時間帯など時間限定のログインボーナスや、友達へのプレゼント機能など、ゲームによくある機能の背景にはそれらの目的があるそうです。

フリートゥプレイ(ソーシャルゲーム)は、リリースをしてから運用を続けていくことが重要だと、藤田氏は強調されていました。

「自分が作りたいものを作る」のではなく、「ユーザーが使い続けるものを作る」「リリースをしてユーザーの反応を見ながらコンテンツを改善・運用していくことが重要」と、ゲーム以外のサービス開発でも参考になる内容でした。

アウトプットワークショップ 「ブレインストーミング」

インプットセミナーの後に、アウトプットワークショップとして、グループでブレインストーミングを行いました。ブレインストーミングとは、他の人の発想に乗っかったり、自由な発想をして、集団でできるだけたくさんアイデアを出し合う方法です。

オルトプラス社でも実施している方法で、頻繁にブレインストーミングをする機会を作っているそうです。その結果、間違えたり、他人と違うことをいうことは恥ずかしいことではないということが社員のなかに浸透し、活発に意見を出す環境ができたそうです。

今回は、参加者が2グループに分かれ、身近なゲームについて、良い点やユーザーを離さない秘訣についてブレインストーミングを行いました。

15分のワークを通して、このようなアイデアが出ていました。

チーム1:モンスターストライク(モンスト)について

  • チームで狩りができる、詰まってもサポートがあったりみんなで協力できる
  • 最初の人も段階的に成長していける仕組みになっている
  • アップデートで追加コンテンツがある
  • 爽快感を感じられる

チーム2:オセロについて

  • 言語の壁がないので海外の人とも遊べる
  • ルールが簡単で年齢に関係なく楽しめる
  • リアルでもネットでも遊べる、手軽に買って友達のところに持って行ける

身近なゲームについて、改めて考えてみると夢中になってしまう要素がたくさんあるということに気づきました。そのような要素を学ぶには、自分でゲームを作ってみることが一番だそうです。藤田氏はゲーム開発の仕事を始めた当時、1からテトリスとオセロの開発を行うことで、ゲームを作るときの考え方を学んだそうです。

インプットセミナー「遊び続けてもらう仕組み」

少しの休憩ののち、後半のインプットセミナーとして、「ゲームを仕事にするということ」で大切な点をご説明いただきました。

ゲームを仕事にするということは、持続的にお金を稼ぎ続ける必要があります。

そのためには、ユーザーに価値あるものを提供し、「繰り返し続けてもらう仕組み」が必要になります。この時に重要なのが、繰り返しプレイして飽きない構造を作る「ゲームサイクル」という概念です。

具体的な事例では、このようになります。

まずは左下から①キャラを獲得し、デッキをつよくする(ゲームをスムーズに進められる状態)→②メインシナリオを進める→③通貨獲得→①に戻る

というように、どんどんこのサイクルを回すことで、ゲームを進めながら成長や報酬を感じ、ゲームを継続するようになります。

さらに、同じことを繰り返すだけではなくて、難易度を上げたり、更なるユーザーの欲求を満たすために施策を作るなどして、このゲームサイクルを拡張していくことが必要になります。

「頂点を極めたい」「レアアイテムを集めたい」「報酬を獲得したい」などといったユーザーの心理状態を理解して、遊び続けられる施策を考えます。このようにゲームサイクルを作ることで、ユーザーが継続し、ゲームに価値を感じてお金を払い続け、企業がゲームを継続することができるのです。

継続するものにはサイクルがあるので、流行っているものを見つけたら、どうして流行っているのかサイクルに当てはめて考えてみましょう。普段から考えていると、物事を分解して考える力がつくので、企画力も強化されます」と藤田氏からメッセージがありました。

アウトプットワークショップ 「身近な現象のサイクルを作る」

講座の後に、「ゲームサイクル」を身の回りのもので考えてみるワークショップを行いました。

受講生はまた2チームに分かれ、身近なものでサイクルを考え、グループで発表しました。各チーム、最初は慣れない考え方に難しさはあったようでしたが、途中からどんどん話が盛り上がり、サイクルを考えることが出来ていました。

藤田氏からは「身の回りのものでもサイクルが作れるので、ぜひサービスを考えるときに応用してほしいです。どういうユーザーにどういうものを届けるのか?を考えるときに、このサイクルが回るようになっているのか?ユーザーがどう使っているのか?サービスの中で一番大事なものは何か?を考えてみて下さい。」とメッセージがありました。

受講生からの質問「『ゲーム・ゲーミフィケーション』を業務で活用するには?」

最後に、受講生の興味関心があることについて、事前にアンケートで質問をいただいていた内容について、藤田氏からコメントをいただきました。

ゲーミフィケーションをサービスに応用できるポイント

ゲーミフィケーションはユーザーに使いつづけてもらう動機付けの手段の一つで、運用の時に重要になってくる概念です。サービス開発をするときには、「どういう風に使ってもらえるか、どうやって利用者を増やすのか?」を考えるゲームサイクルを使ってほしいです。

ゲームにかかわる職種はどのようなものがあるか?

高知にある会社では、ゲームのテスト、ゲームの開発、グラフィックデザインなどの仕事ができます。

ゲーム開発の仕事に就きたいと思う方は自分でまずゲームを作ってみるとよいそうです。簡単でもよいので自分で作ってみて、動くものを用意して会社に応募されると、企業も入社の検討をしやすくなるそうです。

まとめ

第一回目の今回では、ゲームを企画する際に必要な考え方はもちろん、「人が夢中になるサービス」「どうして夢中になるのか、その仕組み」を学びました。普段の仕事のヒントになることも多かったのではないでしょうか。

二回目以降の講座では、ビジネスとして継続するために重要なことを解説するほか、実際に受講生同士で企画を考えることも行います。マーケティングやサービス開発にも役立つ概念ですので、受講生にはぜひ講座内容を身につけて仕事で役立ててほしいです。