デジタル化推進講座「デジタル化の必要性と展望」
令和4年11月16日、ちより街テラスにてデジタル化推進講座「デジタル化の必要性と展望」を開催しました。講座では、中小企業のデジタル化推進のコンサルティングを数多く手がけている講師を招き、製造業や建設業を中心とする事例から、デジタル化に取り組む具体的なメリットや、これからのDX(デジタルトランスフォーメーション)時代において必要な考え方や目指す姿、現場でのデジタル化の進め方を分かりやすく解説しました。
●講師/八子 知礼 氏
株式会社INDUSTRIAL-X 代表取締役CEO。2020年10月より広島大学AI・データイノベーション教育研究センターの特任教授就任。広島県産業振興アドバイザー、高知県IoP推進機構理事なども務める。
●デジタル化・DXについて
近年のコロナ渦において、ますます加速する企業のデジタル化。
しかし、一言にデジタル化といっても、「何から始めていいのか、どこから進めていいのか分からない」というお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
セミナー冒頭では、八子氏からあらためてデジタル化やDX(デジタルトランスフォーメーション)ついて解説があり、製造業や建設業が抱える問題にデジタル化がどんな影響を及ぼすのかについても説明がありました。
★デジタル化とは?
- 特定業務のIT化
物理的な手段をデジタルに置き換えて効率化・コスト削減を目指す
- 全体のIT化・IoT化
デジタル技術を駆使した業務プロセスと組織活動全体の可視化・最適化
- ビジネスモデルの変革
業務に加え商材や組織に対する全面的なデジタル活用による新たな姿への転換
★デジタルとアナログの違い
- デジタルの特徴は瞬時の変化。また、変わり続けていること。
- 物理的、時間的制約がなく、様々な物事の境目がなくなる。
- 業務レベルだけでなくビジネスレベルでのコピーが可能。
- 何万回もシミュレーションで施工できる。
★DX(デジタルトランスフォーメーション)
企業が、ビッグデータなどのデータとAIやIoTを始めとするデジタル技術を活用して、業務プロセスを改善。製品やサービス、ビジネスモデルそのものを変革するとともに、組織、企業文化、風土をも改革し、競争上の優位性を確立すること。
●DXの必要性と展望
IoTやAIといった技術革新が進む一方、日本各地で労働不足が深刻な問題となっています。八子氏は、この労働不足問題に対し、「古い企業の組織体制ではいずれ限界を迎えること」、「予算も人も限られている中、データで意思決定をする経営モデルが必要になること」を説明しました。あわせて、これらのソリューションとして、様々な企業や自治体が実践しているDX事例などを紹介し、DXの必要性やその進め方について解説しました。
★企業におけるDX処方箋
- まずは煩雑な紙をなくす(電子契約サービスなど)
- リモートで働ける環境づくり(グループウェア、チャットツール)
- 現場ワークの可視化、リモート
- オンラインでの仕入れと販売
- 広報マーケティング、営業活動とデジタル化
- 新規事業への進出
●クラウドの利用
デジタル化の成功例として、クラウドで需給バランスを最適化するモデルが目立つようになってきています。これにより、これまでの機会創出だった世界が、クラウドでマッチングできるようになり、需給ギャップをクラウドで解消することが可能になります。
八子氏が推進機構理事を務める高知県IoPプロジェクトもそのひとつであり、IoPクラウドの活用により、国内で高知県農業がスマート農業の最前線に立っていることが紹介されました。
●終わりに
今回の講座では、デジタル化やDXの始め方から、デジタルツインといったデジタル化の最前線での様子なども、解説しました。
講座には、高知県内の企業から多数の経営陣の方々が参加され、講座後には、自社の進めるデジタル化についての質疑応答もありました。