システム開発人材育成講座 最終発表会

7か月の開講期間を通じて、初心者の状態から実務レベルの経験を積み、県内企業への就職・転職を目指す「システム開発人材育成講座」。その最終発表会が令和5年1月28日に開催されました。

会場には人材の獲得を考えている県内企業も過去最大となる17社が出席。企業の個別ブースで受講者と交流しました。

◆プログラム

  • 開会
  • 講座内容・受講者発表内容・参加企業様紹介
  • 受講者による発表会
  • 企業説明会
  • 閉会

●最終発表会について

最終発表会では、4か月間に渡り共同で開発演習を行ってきた“チーム“による課題発表を行います。プログラミング言語であるPHPを専攻する2チーム、Javaを専攻する3チームの計5チームに分かれ、チーム全体での発表と、各メンバーによる個人発表が行われました。

・発表内容

  1. 今回開発した課題の概要(チーム発表)
  2. 自己紹介(個人発表)
  3. チーム内における役割(個人発表)
  4. 工夫した点とその工夫(個人発表)
  5. 苦労した点とどう改善したか(個人発表)
  6. チーム開発を通じた学びや気づき(個人発表)

●チーム発表の様子

これまでチームが取り組んできた仮想案件について、各自用意した資料を用いた発表が行われました。仮想案件はECサイトの作成と運営をベースに、チームによって取り扱う商品や、開発コンセプト、ターゲット層をカスタマイズし、事前に開発演習を行ったものです。

チーム発表写真

★各チームの仮想案件開発

チーム1:RPGゲームを意識したECサイト

チーム2:栄養重視のフードデリバリーサイト

チーム3:衣料品を扱うサイト

チーム4:スイーツ好き男性向けのアイスクリームECサイト

チーム5:ゴールデンレトリバー用グッズ専用店

今回発表された5つECサイトでは、カルーセルを活用した広告バナーの配置や、各種フレームワークの応用、スマホでの利用を想定したCSSフレームワークによるレイアウトの変化など、開講期間中に学んだスキルを活用・応用したアイデアや工夫が要所に取り入れられており、講師陣や企業関係者からも「実際のリリースを彷彿させる完成度の高さに驚いた」という声が寄せられました。

発表を行う受講者も、機能をただ解説するだけでなく、ブラッシュアップの様子や、苦労したこと、注意したことなどを織り混ぜて紹介することで、開発までのプロセスを発表の中で可視化。発表資料上でコメントが流れる『CommentScreen』では、他の受講者からの関心や共感のメッセージが多く流れました。

★受講者が仮想案件内で実装した機能の例

  • 検索機能・お気に入り機能・合計金額計算ツールの実装
  • カートへの商品追加をデータベースに反映するメソッドの追加
  • CSSフレームワークを活用したスピーディなUI構築
  • APIを活用した配達予定時刻算出機能の実装

●個人発表の様子

チーム発表に続いて、チームのメンバーによる個人発表が行われました。個人発表では、今回のプロジェクト内で各自が担当した役割をはじめ、個人視点で苦労した点や、チーム開発を通して得られた学びや気づきを発表。

事前のチーム発表で説明した各種機能について、担当した受講者による詳細な解説では、斬新なクリエイティブな視点やアイデアが飛び交い、各自が開発中に感じた疑問点なども言語化し、視聴する受講者全員で知識と経験を共有しました。

個人発表写真

また、発表を行ったほぼ全てのチームが“チーム開発の難しさ”を取り上げており、個人開発に比べて「スケジュール管理」や「進捗の共有と可視化」の難しさや重要性を改めて認識したとコメントを残しました。

★受講者の工夫、気づきや学び

  • チーム開発では意見の食い違いも多々あり、ミーティングでは画面共有しながらのやりとりなど、意思疎通が難しかった。
  • 重要度の高いページを先に作成することがひとつの成功の鍵となった。今後同様の開発を行う際は、ツールを活用しタスクの優先度や、作業量を可視化し共有していきたい。
  • 円滑に情報を共有するためには、情報を整理された状態で記録することが重要だと感じた。常に他人に見せられる水準を意識したい。
  • WebサイトにおけるUX(ユーザーエクスペリエンス)への意識が高まり、多構造のリンクをわかりやすくするなど「ユーザーの需要に対して、技術を考える力」が身についた。
  • 初期の構想段階ではアイデアが次々と生まれ、ブラッシュアップを進めることができたが、同時に実際にそれを形にするまでの時間を把握する能力も必要だと感じた。

●企業説明会

各チームの発表後には、個別ブース出展企業17社と受講者の交流が行われました。受講者は、これまで受講したカリキュラムや培ったスキルを記した専用の職務経歴書を持参し、企業ブースを訪問しました。

また、会場にはシステム開発人材育成講座の開講から受講者の成長を見守ってきた企業担当者も多く、実際現場での開発環境や、今回受講者の間でひとつのテーマとなった「チーム開発」についてなど、中間発表会の際に行われた企業説明会よりも一歩踏み込んだ内容で、自社の紹介を行う企業も見られました。

企業説明会写真

●CodeCamp 講師陣からのコメント

発表の仕方も工夫されており、初めてこの場に来られる方にも伝わるように言語化された発表だったと感じました。この7か月という期間の中で、受講者の皆さんによる短期間でのスキルの成長スピードは素晴らしいものです。この成長スピードこそが皆さんの武器です。これからは、この成長スピードを維持していくこと! そして将来、作る楽しさだけでなく、 “作ったものを誰かに使っていただく楽しさ”も感じていって欲しいと思います。