AIビジネス活用講座 最終発表会

令和5年2月3日、昨年11月にスタートした「AIビジネス活用講座」の最終発表会を、高知会館にて開催しました。

本講座は、受講者がAIをビジネスに活用するための知識やスキルを学び、身につけることで、AIを活用したビジネス展開を促進することを目的としています。

受講者は「AIを使ってできること・できないこと」、「AIの企画・導入プロセス」などのAIの基礎知識について学んだほか、実際にAIプロジェクトを主導した経営者から、直接話を聞き、自社や組織の課題や新たなサービスのアイデア、将来のありたい姿について考えてきました。

最終日の本会では、講座での学びを通して受講者が考え出した「自社におけるAIをつかった課題解決策」の発表を行いました。

講師を務める株式会社zero to oneの代表取締役CEOの竹川隆司氏からの挨拶の後、もう一人の講師であるAI inside株式会社の高橋蔵人氏より、

「今日の発表が完璧でなくても大丈夫です。発表を通してこれまでの内容の振り返りをすると共に、他の人がどう取り組んでいるかを学んでいく場だと考えてください。」

という呼びかけが行われました。

グループ発表で活発な意見交換

まずは、テーブルごとに分かれて行う「グループ発表会」です。

一人10分間でAIを活用した取り組み内容や課題を発表した後、他の受講者や講師からの質疑応答が行われました。

本講座独自のフレームワークを用いて、現在抱えている課題や課題解決のためのAI活用のアイデアを発表したり、講座期間中にノーコードAI開発・運用ツールと自社のデータを用いて実際に行ってきたAIモデル構築の取り組みを発表する受講者。

「これまで収益に繋がらなかったデータが、AI活用することで有料コンテンツにできるのではないかと考えています。」

「AIを活用することによって、業務の効率化や新しいビジネスモデルが生まれると考えています。」

そうした明るい展望が語られる一方で、

「実際にどれほどの精度をAIに求めていくのかが、難しいところです。」

「何でもかんでもデータを集めるのではなく、本当に必要なデータは何なのか精査が必要であると感じています。」

「AIに学習させるために、データをどう構築していくのかが課題です。」

といった課題も多く聞こえてきました。

他の受講者がどういった課題を抱え、どう取り組もうと考えているのかを、大きくうなずきながら聞き入っていました。

また、他社が蓄積しているデータのボリュームに感心する様子も見られました。

発表の後の質疑応答の時間では講師や関係者も加わり、活発な意見交換が行われていました。

「こういうデータを活用すれば、他にもこんな可能性が生まれるのではないか。」

「データを縦軸に並べるのではなく、横軸に並べると、また違った結果が得られる。」

など、具体的なアドバイスが出る場面も。

講座で共に学んだ同志としての絆を感じると共に、AIを活用するためには継続的な学びが必要であることを感じました。

本講座の集大成を発表

休憩を挟み、最後は「全体発表会」です。各グループから代表者が登壇し、AI活用の取り組みと課題について発表していきました。

発表を行った受講者からは

「AIで予測できたように見えるが、正直違和感もあります。まだまだ精査が必要です。」

「データを収集したものの、うまく予測ができませんでした。データのつくり方や組み合わせ方などの検討が必要だと感じています。」

「データづくりがいかに大事か痛感しました。データはあればあるほど良いと思っていましたが、そうではない。目的に紐づけるデータをいかに用意するかが大事。」

「人間の代わりにAIが業務を行うフローを考え、実際に動かすこともできたが、そもそもAIを使う意味があるのかという基本的な疑問を拭えなかった。でも、何か活かせるのではないかという思いもあるので、これからも考えていきたい。」

といった感想が語られました。

講師の高橋氏は

「みなさんの中で『とりあえずAIに任せれば良い』という発想ではなく、どうしてデータが大事と言われているかご理解ができたのではないかと思います。それはみなさんがAIを正しく理解できた証です。」

という言葉を受講者へ送りました。

講師の感想

最後の、改めて講師の高橋氏と竹川氏に感想やメッセージを伺いました。

▶︎高橋氏より

もともとAIを触ったことのない方々が、たった数回の講座を通してここまで出来たということは、大きな成果だと思います。特に、コロナ禍などの影響で事業の改善をシビアに考えていらっしゃる方の取り組みというのは現実感がありました。

今回受講された皆さんは、エンジニアではない方がほとんどで、最初は「データを活用する」といわれても、そのイメージすら湧かなかったと思います。しかし、最後にはかなり具体的な取り組みを考え出すことができました。変革するためには、まずは一歩を踏み出すことが大事ですので、ぜひ学ぶ機会を逃さないようにしていただきたいと思います。

▶︎竹川氏より

実際に手を動かし、ツールを使ってやってみていただくことによる学びが大きかったのではないかと思います。AIをイメージだけで終わらせるのではなく、課題設定からはじまり、解決に必要なデータ集め、そして、最終的に結果を出すという一連のプロセスを体験していただきました。その実践値が皆さんの今後に繋がっていくと思います。

また、今回は『リアル』にこだわって講座を実施いたしましたが、異なる業界の方々や、これまで接点のない方々とのやりとりや発表を通して、気づくことも多いです。オンライン上では気づかないこと、例えば、講座を重ねるごとに仲間が成長している実感なども、受講者の皆さんの学びや刺激になったのではないかと思います。

AIやDXに興味関心はあるが、講座を受けようかどうか迷われている方もいらっしゃると思います。急にAI活用やDX化と言いますとハードルが高いように感じますが、実は、すでに日常の中に当たり前に登場しているものも多いです。

最近ではChatGPTも話題となっていますが、そうしたものは無料で使えますので、まずは楽しく使ってみて、AIやDXのメリットをご自身で体感することからスタートしてみてください。