デジタルリテラシー講座リフレクション 開催レポート

令和5年1月30日、社内デジタル化リーダーのベース能力を身につけることを目的とした「デジタルリテラシー講座」のリフレクションを、ちより街テラスにて開催しました。受講生は7月~1月で実施したオンラインでの基礎研修・選択研修の学びを活かし、自社のデジタル化企画に関する発表&意見交換などを行いました。

グループセッションでのデジタル化企画発表

5つのグループに分かれて、グループ内で一人ずつ自社のデジタル化企画についてのプレゼンテーションを行い、その後グループメンバーから企画に対するフィードバックを行うという流れで実施しました。
デジタル化企画の発表内容は、「企画書タイトル」「ビジョン/ロードマップ(下記図)」「課題設定」「ソリューション概観」「ソリューション詳細」「ターゲット市場・業務」「類似ソリューション」「優位性・選定項目」「主要活動」「実施体制」「資金・収支計画」「想定リスクと対処」の12項目です。

例えば、
 ◉生産管理課の業務デジタル化計画
 ◉売場案内業務のデジタル化
 ◉定型業務の自動化とその先について
などのそれぞれの企業に必要なデジタル化企画について参加者からプレゼンテーションが行われました。
その後のフィードバックでは、グループメンバーから企画の評価できる点、見直すべきところやリスクに関する改善点、理解しにくかったポイントなど不明点や質問、他の可能性や新しい視点はないかなどのアドバイスが行われ、熱気の伝わる意見交換がなされていました。

具体的に生まれたデジタル化企画

例えば、タクシー業を営んでいる会社からは社長自らが参加し、グループウェアを用いた社内の情報共有化、日報からの売上集計の自動化、着信数・実車数・実車場所からの顧客の動向予測を取り入れるなどの企画について発表しました。
これにより、今まで紙ベースでおこなっていた業務が簡単に行え、結果の確認や個々の運転手の売上把握などが共有され、各自の売上目標に対する達成率の把握も可能になります。

フィードバックセッションでは、「自社でのシステム確立により、外販が可能になり、社内だけでなく業界全体へ広げられることにもメリットが見い出せそう。タクシー業務以外の売上見込みにも繋がる企画が素晴らしい。」「AIに任せることで配車、空車の状況が分かりやすいので、効率化につながりそう。」「AIを活用するシーンの具体的な内容が必要。」などの意見が交わされました。

学びの棚卸し

デジタル化企画の発表・意見交換後、参加者それぞれが講座での学習を終えた今の各自の学びの状況を以下の3点から整理しました。
 ◉現時点での学習内容と、習得スキルの実務への展開可能性について
 ◉今後の個人の成長課題
 ◉定型業務の自動化とその先について
記述した「学びの棚卸し」シートをお互いに交換して、相手の「学びの棚卸し」シートの余白にメッセージを添え、返却します。デジタル化を進める仲間同士、企業の垣根を越えて、互いを励ますメッセージ交換がなされました。

企業のデジタル化最大の障壁

最後のグループワークとして、自社のデジタル化を進めるのに最も障壁になっていることについて話し合い、発表しました。

 ◉「めんどくさい」という気持ち。物事を進めるのについてくる「めんどくさい」がデジタル化の妨げとなっていると気付かされた。
 ◉経営者の意識。積極的にデジタル化をしようとする意識、リスクをとってでも実現しようとする気持ちがないと実現は厳しいと思った。
 ◉デジタル知識の欠如。反対勢力、コスト、何が得られるのかがわからないという知識の欠如が最大の障壁である。
といった意見がありました。

最後に講師の飯田氏から参加者へのメッセージがありました。
「デジタル化は恩恵しかないと思っています。うまく使えば間違いなく利益を生み出すツールになります。ここで学んだことを実践するために、次にみなさんがするべきことは、誰の言葉なら人は動くのかということを見極めて、会社を動かすことです。ぜひそこを考えて行動を起こしてみてください!」

受講生の感想

デジタルリテラシー講座を終えて、受講生から受講の感想と、これから高知デジタルカレッジを受講する方に向けてメッセージをいただきました。

「会社の中でデジタル化が進んでいない部分があり、自分の足りない部分、会社の足りない部分を補いながら進めていきたいと思い参加しました。最初からやりたいことが明確にあったため、講師の先生や他社の方の言葉を受けて、より色濃くなったと思います。また、講座を受ける中で、自分のやりたかったプロジェクトが進み始めたことや、自分の得た知識を会社に共有できたことに講座の効果を感じています。1%でもデジタル化へのマインドがあれば、この講座で得られるものは多いと思います。」

「デジタル情報を取り入れたい、業務の効率化にデジタルが必要だという思いで受講しました。最新の情報に触れられることができたことと、講師の方に直接質問を直接投げられて、戻ってきたお返事が社内の課題解決に直結していたことがとてもよかったです。受講前はデジタルの知識が全くありませんでしたが、知識が増えたことで、自分だけでもいろんな勉強ができるようになりました。また、他社の方と一緒に受講することで、自社がどれだけ進んでないかということも実感したので、まずはペーパーレス化から進めていきたいです。当社はデジタル化とは関係のないように思える業務なんですが、受けてみるといろんな知識が得ることができて、業務の効率化に繋げていけそうな内容でした。どんな職業の方でも、情報を取り入れる第一歩になるはずです。もう一回受けたいくらいためになりました!」

「これまでもデジタルを独学していましたが、最新のデジタル技術を知りたい、ちゃんとした講義を受けたいと思ったことと、仕事上で、ネットワークや機械などデジタルに触れる機会がありますが、躓くことも多かったので、それを解消できるかもと思い受けました。実際、業務上の効率化、課題解決などに向けて学べたことが大きかったです。また、職場での効果としては作業スピードが上がったことと、データを作るときなどもどうすれば効率が上がるのかを考えられるようになり、二次利用もできるようになりました。社内でも、デジタル化に向けて進み始めたことが大きい成果だと思います。こういった勉強の機会はなかなかないので、ぜひ受けてもらいたいです。同業種、異業種に限らず県内の企業の皆さんと一緒に受けることで励みにもなります!」